電子書籍か、紙の本か。
——本棚が壊れかけた日に出した結論
その夜、本棚の棚板が、まんなかから静かに湾曲しているのに気づきました。犯人は、読み終えたまま積み上げてきた本たち。「そろそろ電子書籍に移るべきなんだろうか」——読書が好きな人なら一度は向き合うこの問いに、私も本気で向き合うことになりました。先に結論を書いてしまうと、私の答えは「両方」です。ただしその「両方」には、はっきりした使い分けの線があります。この記事では、6つの観点の比較と3つの質問で、あなた自身の線を引くお手伝いをします。
まず、6つの観点で正直に比べる
| 観点 | 電子書籍 | 紙の本 |
|---|---|---|
| 持ち運び | 端末1台に何百冊。旅行かばんの中身が変わる | 2冊入れただけで、かばんは重くなる |
| 読みやすさ | 文字サイズを変えられ、暗い場所でも読める | 紙面は目になじみやすく、長時間でも疲れにくい人が多い |
| 所有感 | 「持っている」実感は薄い | 背表紙の並びを眺めること自体が喜び |
| 探しやすさ | キーワード検索が圧倒的に速い | 「あのへんのページだった」という身体の記憶が働く |
| 保管 | 何冊増えても場所を取らない | 本棚はいつか限界を迎える(うちは迎えました) |
| 貸し借り・売却 | 原則できない | 貸せる・売れる・譲れる |
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※ 端末やサービスによって事情は変わります。あくまで一般的な性質の整理です。
3つの質問で、自分の「読み方」を知る
表を眺めるだけでは、自分の線は引けません。次の3つの質問に、頭の中で答えてみてください。
外で読む時間が長いなら、電子の身軽さが効きます。家で読むことが多いなら、紙の弱点はほとんど消えます。
読み返して調べたいなら、検索できる電子。読み終えた本は「飾りたい」なら、紙です。
ページをめくる時間そのものを味わいたいなら紙。中の情報が目的なら電子。ここがいちばん深い線です。
本の置き場所は減らせても、
読みたい気持ちは減らせない。
私の使い分け(告白)
わが家の線は、こうなりました。小説は紙。残りのページの厚みが薄くなっていくのを指で感じながら、「ああ、終わりが近い」と少し寂しくなる——あの感覚ごと読書だと思っているからです。実用書と仕事の資料は電子。読み返すときに検索したいからです。寝る前は紙。画面の光で目が冴えてしまうからです。
失敗もありました。大判の写真集を電子で買ったときのことです。小さな画面の中で窮屈そうにしている写真を見て、数日後、静かに紙で買い直しました。向き不向きは、ジャンルにもあるのだと学びました。
まとめ——決着は、つけなくていい
「電子書籍と紙の本、どちらが優れているか」という論争は、たぶん永遠に終わりません。そして、終わらなくていいのだと思います。決めるべきなのは優劣ではなく、自分の読み方のどこに線を引くか。ちなみに、あの湾曲した棚板は結局買い替えました。それでも私は、今日も紙の本を増やしています。